2018年5月25日金曜日

区政リポート№385 2018年5月25日号

どこの保育園にも入れない子ども 151人 
待機者ゼロ・保育の質確保を

 4月現在の「どこの保育園にも入れない」待機児数が、明らかになりました。
 待機児数は151人と作年4月比で115人減りましたが、認可保育園を希望しても入れない子どもは600人以上に及んでおり、依然として深刻な事態です。
 認可保育園の待機児解消と保育の質の確保・保育士の処遇改善は、保護者や区民の切実な願いであり待ったなしの課題です。
 第1回定例会には、区民から「保育園の待機児解消と保育士の処遇改善を求める請願」が提出され、党区議団として本会議で賛成討論を行いました。今回は、その討論をご紹介します。
 
 本請願は、公的保育・福祉を守る渋谷実行委員会代表者他892人から提出されたものです。請願者は、保育園の待機児童の状況は深刻であり、保護者から「両親が常勤でないと入れない」「4月から仕事に復帰する予定だが保育園に入れなければ復帰できない」等の切実な声があるとして、区が責任を持って、認可保育園を整備し、早急に待機児童を解消すること、保育士の処遇改善を向上させるための予算を区として国、都に要請することの2点を求めています。
第一の賛成理由は、認可保育園の待機児童の実態は依然として深刻だからです。
 渋谷区は、2018年の10月開設も含め3年間で1800人の保育定数の拡大を行います。しかし4月の認可保育園の申し込み児童は1856人、このうち第一次希望で内定した児童は、1208人で648人が待機児となる深刻な実態となっています。
 昨年4月、全国の認可保育所の待機児童は、2万6千人でしたが、認可外保育施設を利用している「隠れ待機児童」を含めると9万5千人で、保護者が求めている認可保育所が決定的に不足していることは明らかです。
 こうした実態に対し、安倍政権は「1億総活躍社会」をかかげ、その柱の1つとして「待機児ゼロ」をあげ2017年度を目標達成年度としていましたが、2020年度に先送りしました。さらに安倍政権は、保育士配置や施設面積などで国基準を下回る認可外の「企業主導型保育所」を増設しようとしていますが、保護者からは不安の声があがっています。実際内閣府の発表で、昨年立ち入り調査が行われた「企業型保育所」432カ所のうち7割の303カ所で、保育士の配置基準を満たしていない等の理由で指導が行われました。こうした設置基準を緩和した施設では、保育の質を引き下げ子どもの安全が確実に保障されず、子どもの命に関わる重大事故も発生しています。
 今こそ保護者の願いである子どもを安心して預けられる認可保育園の増設に政府が力を尽くすことが求められています。同時に渋谷区が責任を持って、保育の必要な全ての子どもに良好な保育を保障するために、区の公共施設や国、都有地の活用と民有地の借り上げなどで区立の認可保育園を中心に増設し待機児ゼロを目指すべきです。

第2の賛成理由は、保育所増設が進まない背景に保育士不足があり、保育士の処遇改善は喫緊の課題だからです。
 今年に入り保育士不足で民間保育所が突然閉園する事態が神奈川県で発生しています。問題は、保育士の労働が過酷過ぎることと、こどもの健全な育成に責任を持つ保育士の専門性に見合った給与になっていないことです。保育団体が行った実態調査では、全国的に認可保育施設の正規職員の時間外労働やサービス残業が常態化していることが明らかとなりました。国は早急に保育士配置基準を見直し、人員配置増などによる業務負担の軽減を実施すると共に、給与の引き上げを急ぐべきです。保育士の処遇改善が進まなければ、必要な保育施設を増設することもできず、安定した保育園運営を実現することも出来ません。 
 この間国は、私立の保育士の賃金を2013年度から17年度まで10、2%引き上げてきましたが、それでも16年の民間保育士の平均賃金は、月22万3千円で、全産業平均との差は11万円と縮まっていません。(中略)
 児童福祉法は、第1条ですべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。第2条、国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う、と定めています。請願者が求めている国と東京都に保育士の処遇改善を抜本的に進めるための予算の増額を求めるべきです。
 以上本請願の賛成討論とします。